車いすのヒーロー登場!特撮動画上映へ 「邪魔だな」つぶやく敵と戦う


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主人公のいさなマン(左)と敵役が戦う動画の一場面。制作時に光や音を付け足したほか、衣装も手作りした

 「バリアフリーを楽しく伝えたい」。県自立生活センター・イルカの山家鯨(いさな)さん(29)と大城亮さん(27)は、バリアフリーの大切さを伝えようと特撮映像を使った動画を制作している。14日に上映会を開催する予定だ。

 物語の主人公はバリアフリー研究所で働く車いすのヒーロー“いさなマン”こと山家さん。ある日、玄関先に設置された車いす用スロープに「何だこれ、邪魔だな」とつぶやく敵役が登場する。スロープの必要性やバリアフリーへの理解を広めようと戦いを繰り広げる。

 昔から特撮ヒーローが好きだったという山家さん。「車いすのヒーローが登場する動画を撮ってみたかった。車いすでも、いろいろなことができると勇気が伝わればうれしい」と話した。

バリアフリーを伝える特撮動画を企画した山家鯨さん(右)と、動画制作をする大城亮さん(左)ら=7日、宜野湾市の県自立生活センター・イルカ

 動画に登場するのはイルカのメンバーら。コロナ禍で事業所を閉めることもあり、完成までにおよそ8カ月を費やした。動画制作を担当する大城さんは、戦う場面の火花やビーム、効果音を付ける技術を一から学んだ。「衣装も手作りし、シナリオ作成の段階から議論を重ねた。バリアフリーについて、目で見える楽しさを通じ伝えたい」と笑顔で話した。

 今後も新しい動画作りに取り組む。上映会は14日午後2時から宜野湾市の県自立生活センター・イルカで。参加申し込みや問い合わせはイルカ(電話)098(890)4890。

(吉田早希)