片付けないの?自問する「当たり前」 長嶺晃太朗(北部支社)


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written by 長嶺晃太朗(北部支社報道部)

 「自分で出したものはちゃんと片付けようね。ごみは集めてごみ箱に捨てるんだよ」。昔、母親から言われた言葉だ。私だけでなく多くの人が小さい頃に身近な大人から言われた経験があると思う。

 今年2月26日、航空自衛隊那覇基地から泡消火剤が流出、飛散した。泡が付着した現場で取材をしていると、空自の関係者がやって来た。カメラで泡を撮影するなど状況把握に努めている様子は確認できたが、泡を回収することはなかった。その後、泡には有害性が指摘されるPFOS(ピーフォス)を含むことが分かった。

 後日、報道を見た人から「空自は自分で出したものを片付けないのか」と言われはっとした。過去に親から言われた冒頭のせりふを思い出す。この状況は当たり前ではない。

木々の間から見える広大なやんばるの森=4日午前7時10分

 4月から北部支社勤務となった。ここでも当たり前じゃない状況と遭遇する。東村の希少動物がいる森からは、米軍のものとみられる砲弾の薬きょうが発見されたほか、弾薬を入れる箱などのごみが確認された。さて、私自身はどうだろうか。当たり前のことはできているのか。親から言われた言葉を思い出し、時には自分の言動を客観的に見つめ直して「マスゴミ」と呼ばれないように努めていきたい。ご指導のほどよろしくお願いします。

(国頭村、東村、大宜味村、伊平屋村、伊是名村担当)


ゆんたくあっちゃー 県内各地を駆け回る地方記者。取材を通して日々感じることや裏話などを紹介する。