キングス最終戦飾れず…でも堅守復活に光 京都に70-72 第56戦


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キングス―京都 第4クオーターの最終盤、相手ガードに激しいプレッシャーをかける田代直希(右)と今村佳太(奥)=9日、沖縄市の沖縄アリーナ(長嶺真輝撮影)

 プロバスケットボールBリーグ西地区1部の琉球ゴールデンキングスは9日、沖縄市の沖縄アリーナで京都ハンナリーズ(西地区8位)と今季最終戦となる第56戦を行い、70―72で敗れた。前半に最大14点差を付けられたキングスは、第4クオーター(Q)最終盤に一時逆転するなど猛追を見せたが、勝利には一歩及ばなかった。通算成績は40勝16敗。キム・ティリは右ハムストリング(太もも裏)の痛みで欠場した。西地区1位で今季のレギュラーシーズンを終えたキングスは15~17日、同アリーナで2戦先勝方式のチャンピオンシップ(CS)準々決勝を戦う。

 今季最終戦の最終盤、「ディフェンスファースト」を掲げるキングス本来の姿が戻ってきた。第4Q残り8分を切って12点ビハインド。大黒柱のジャック・クーリーがスチールからの速攻や力強いリバウンドで火を付ける。連続12得点で追い付いた。

 その後は再びリードを許す展開が続いたが、諦めない。残り約30秒で1点差。田代直希主将と今村佳太が相手ガードに前線から激しい圧力を掛けてトラベリングを誘うと、会場はこの日一番の拍手に包まれた。

 最終的に勝利には至らなかったが、チームは4月中盤に地区優勝が決まって以降、モチベーションの維持に苦しみ2度の2連敗を喫したこともあり、藤田弘輝HCは「モヤモヤした期間が終わり、収穫もあった。プレーオフで爆発させたい」と晴れやかに語る。

 指揮官と同じく、「大切にしてきたことが取り戻せるゲームになった」とうなずいたのは岸本隆一。「封印を解いた感じ。次のプレーに集中し続けることがきれば、間違いなく優勝に手が届くチーム」と持ち味の堅守の復活に手応え十分だ。

 チーム全体で取り戻した自信を胸に、チャンピオンシップ(CS)に挑む。
 (長嶺真輝)


▽Bリーグ1部(沖縄アリーナ、3630人)

京都 21勝36敗
 72―70(13―12,15―13,26―17,18―28)
琉球 40勝16敗

 【評】前半は持ち味の3点弾が1本しか決まらず、後半に入ってもなかなか波に乗れないキングスだったが、12点差を追って迎えた第4Qに強度の高い守備から流れをつかみ、一気に追い上げた。残り2分を切って一時逆転をしたが、最後は相手エースのデイヴィッド・サイモンに着実に加点され、逃げ切られた。

◆収穫ある試合だった

 藤田弘輝HC(キングス)の話 試合を通してファイトし続け、プレーオフに向けて収穫のある試合だった。ここからが戦いだ。いい状態でプレーオフに入り、新アリーナで、ファンの皆さんの前で活躍できるように頑張りたい。世の中に喜びを届けたい。

◆執着心の高さが勝因

 小川伸也HC(京都)の話 勝って今季を終われたことが何より良かった。ボールへの執着心の高さが勝因だと思う。今季は若い選手が成長してくれたことが本当に良かった。来季順位を上げるには、練習やオフコートを含め、全てを変えないといけない。