米須が5000競歩で大会新V 陸上・沖縄選手権


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男子競歩 先頭に出ると、ぐんぐん後続を引き離す米須一清=9日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(謝花史哲撮影)

 陸上の第72回沖縄選手権大会最終日は9日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで行われ、男子Aで5000メートル競歩の米須一清(九州共立大)が22分23秒72の大会新で優勝した。円盤投げ(2キロ)の藤原孝史朗(九州共立大)は大会記録を1メートル77上回る48メートル55の新記録で頂点に立った。1500メートルは上原琉翔(北山高)が3分56秒30で制した。女子Aの円盤投げ(1キロ)では城間歩和(九州共立大)が大会記録まで0メートル06に迫る46メートル61で優勝した。

 男子5000メートル競歩県記録保持者の米須一清が2位を大きく引き離す圧巻の強さで優勝を飾った。20分台で県記録を塗り替えたのは昨年11月。それだけに22分台の内容に「納得はいっていない」が、厳しい暑さの中でも大会記録を約25秒更新し「最低限のことはできた」と気鋭ぶりを発揮した。

 昨夜の雨で競技場は朝からじめっとしていた。徐々に上がった気温は28度。湿度も70%台の蒸し暑さの中でレースが始まった。

 いつもなら先頭に付いて後半に勝負を懸けるが、序盤から「記録は出ない」と感じ取った。後輩の知念凜斗(九州共立大)に自己新を出してもらおうと、展開を変えて1500メートルに差し掛かって先頭に。しかし知念も暑さにこたえ、足が伸びない。自身も暑さを感じたが、持ち前の速さで押し独走した。

 大学からは競歩の距離は1万メートルに。「5000に比べ技術力がさらに必要。どれだけ楽に歩けるかを意識している」と視野を広げて競技を楽しんでいる。昨年はコロナ禍で大会中止が多かったが、かえってじっくり準備ができた。距離が倍になっても順応できているという。

 目標はまず今月22日の九州学生選手権で全日本の標準記録42分30秒を越えること。「活躍して沖縄の競歩界を引っ張っていけたらいい」と飛躍を誓う。
 (謝花史哲)