【電子号外】喜納 東京パラ内定 車いすマラソン県勢2人目 自身初の夢舞台


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 日本パラ陸上競技連盟は10日、今夏に開催される東京パラリンピックの女子車いすマラソンT54クラスの代表に、県出身の喜納翼(30)=タイヤランド沖縄=が内定したと発表した。パラ陸連が日本パラリンピック委員会に推薦する。日本記録である1時間35分50秒の保持者で、このタイムが世界ランキング6位以上という選考基準を満たした。喜納のパラリンピック出場は初となる。
 車いすのマラソン競技で県勢がパラリンピックに出場するのは、2008年北京パラの男子T52で銀メダルを獲得した上与那原寛和(SMBC日興證券)以来、2人目。東京パラへは上与那原もトラック競技で出場が内定している。東京パラのマラソン競技は9月5日に行われる。

 喜納はバスケットボールで中学、高校と県代表に選ばれたが、大学1年の時、トレーニング中の事故で脊髄を損傷し、下半身まひで車いす生活に。当初は車いすバスケをしていたが、今も指導を受ける下地隆之コーチとの出会いをきっかけに陸上に転向した。

 強みは身長173㌢という体格と、腕の長さにある。海外選手と渡り合えるパワーに加え、ハンドリム(車輪の持ち手)に長く触れられることで一回のこぎで進める距離が長い。フルマラソン初挑戦となった19年の大分国際車いすマラソンで優勝。19年の同大会で現在の日本記録を打ち立て、瞬く間に日本のエースへと成長した。1990年5月18日生まれ、うるま市出身。