候補地4町村長の反応は?「登録に向けて前進」「自然保護に連係の強化を」<沖縄・奄美 世界遺産>


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新緑が広がるやんばるの森=3月20日、国頭村(小型無人機にて喜瀨守昭撮影)

 【国頭、東、大宜味、竹富】国際自然保護連合(IUCN)が「奄美・琉球」の世界自然遺産への登録を勧告したことを受け、県内の候補地4町村の首長らからは10日、「大変うれしい」と喜びの声が上がった。一方、3年前の登録延期の理由となった米軍北部訓練場を巡っては、「返還跡地から廃棄物を早期に除去してほしい」と国の積極的な対応を求める声も上がった。

 環境省からの電話で連絡を受けた国頭村の知花靖村長は「大変喜ばしいことだ。村民にいい知らせができる」と笑顔を見せた。今回は3年前に是正を求められた北部訓練場返還地も推薦地域に含まれた。廃棄物が残されたままの現況に「沖縄防衛局に引き続き、除去を求めていく」と強調した。

 東村の當山全伸村長は「長年の懸案事項で、県をはじめ環境省、関係者と共に取り組んできた。一歩、二歩も登録に向けて前進した」と声を弾ませた。その上で「自然をいかに活用するかも大切だが、これまで守ってきた自然を守ることにも注力したい」と力を込めた。

 大宜味村の宮城功光村長は「登録延期から3年間は長かったが、環境省や各自治体で登録勧告に向け、取り組んできた。国内外からたくさんの観光客が来るはずだが、やんばるの自然や動植物を次世代に残せるよう連携を強化していきたい」と決意を新たにした。

 西表島を抱える竹富町では、通事太一郎世界遺産推進室長が環境省から連絡を受けた。通事室長は報道陣の取材に、「一つのステップを超えることができて安堵(あんど)した。これで終わりではないので、対応しなければならないことを、対応していきたい」と語った。