社会人野球の第73回JABA九州大会最終日は11日、福岡県の北九州市民球場で決勝まで行った。準決勝に進んだ沖縄電力は西部ガスに1―0で決勝に進出。決勝はパナソニックと対戦し、2―5で惜しくも敗れた。
優勝のパナソニックは日本選手権大会(6月29~7月14日、京セラドーム大阪など)への出場を決めた。西武で活躍する與座海人の兄で、パナソニックの與座健人(沖縄尚学高―関西国際大出)が最高殊勲選手賞に輝いた。敢闘選手賞に沖縄電力の當山昇平、首位打者賞を田場亮平(5割5分6厘)が受賞した。沖縄電力は日本選手権大会出場を懸け、九州地区の最終予選(26日から5日間・熊本県)に出場する。
粘り強い試合運びで順調に勝ち上がってきた沖縄電力だが、決勝戦は一歩及ばなかった。
チームは初回、相手に先制を許すと、四回までに5点を失い苦しい展開に持ち込まれた。そんな劣勢の中、打撃で奮起したのが7番・平良大悟主将。相手投手は日本選手権で対戦経験があり「適時打を放った記憶もあったので、良いイメージで打席に入れた」。悪い流れを断ち切ろうと迎えた三回表、内角直球を左翼スタンドへ運ぶソロ本塁打を放った。「手応えがあった。ベンチの雰囲気も良くなった」と胸を張った。
チームは続く四回に2点目を加え流れをつかみかけたが、五回以降は追加点が奪えずそのまま終了。それでも、古謝景義監督は「決勝では投手陣の攻めた投球ができなかった反省はあったが、今大会では粘って点差をひっくり返すこともできるチームに成長した」と手応えを口にした。
準決勝では初回に先制した1点を守り切り、當山昇平が相手打線を被安打4に抑える完封勝利を収めるなど収穫も多かった。チームは本戦出場を懸け、26日から始まる最終地区予選に臨む。平良主将は「大会での反省点を持ち帰り、しっかり準備して挑みたい」と力を込めた。