下地宮古島市長 職員とオトーリ懇親 台風8号特別警報下


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 玉城江梨子
台風接近時の職員との飲酒についての質問に答える下地敏彦宮古島市長=10日午前、宮古島市役所市長室

 【宮古島】宮古島地方に台風8号が接近していた7日夕、下地敏彦宮古島市長が職員7人と市長室で懇親し、「オトーリ」を含む飲酒をしていたことが10日までに分かった。台風接近に伴い特別警報が発令され、下地市長を本部長とする災害対策本部設置後も飲酒を続けていた。下地市長は当初の取材に「食事を用意し、少しだけ酒を飲んだ。許容範囲ではないか」と飲酒を正当化していたが、その後に「酒提供は控えるべきだった」との談話を発表して軌道修正した。識者からは疑問の声が上がっている。

 市によると飲酒懇親が行われたのは7日の業務終了後、午後6時から同7時20分までの1時間20分。台風対策に当たる職員激励のほか、8月に東京で開催のイベントに市が出展することになり、その内容調整と慰労を兼ねて開いたという。

 7日は台風接近に伴い、午後4時すぎに暴風警報が発令、懇親中の同6時20分には暴風波浪特別警報が初めて発令された。市の体制も市長を本部長とする災害対策本部に格上げされた。

 懇親には市長のほか部長級1人と課長2人も参加した。下地市長によるとオトーリも1度回された。下地市長は記者団の取材に「食事して景気づけるのが目的で、酒を飲ますのが主眼ではない」と説明した。

 一方、市総務部は「あの状況で酒を飲むのは基本的にはまずい。軽率な行動をしないよう職員に促す」とした。

 これに対して照屋寛之沖国大教授(行政学)は「量の問題ではなく酒を飲んだことが問題だ。不安におびえる市民の気持ちを思えば酒は飲めないはずだ。判断にも影響を与えかねず、緊張感を持って職務に当たってほしい」と指摘した。