宮古島市長、千代田CC活用を打診 陸自配備めぐり防衛省関係者らに


この記事を書いた人 Avatar photo 嶋野 雅明
陸上自衛隊の配備候補地に上がっている千代田カントリークラブ=2015年5月7日、宮古島市上野野原

 沖縄県宮古島市への陸上自衛隊配備をめぐり、配備の有力候補地となった同市のゴルフ場「千代田カントリークラブ」の活用について、下地敏彦市長が防衛省や自衛隊関係者に自ら要請していたことが分かった。複数の政府関係者が明らかにした。下地市長は11日にあった防衛省の左藤章副大臣との会談後、記者団に自身の働き掛けについて問われ「防衛省が独自に宮古島の候補地を調査し、絞り込んだ」として否定した。

 政府関係者によると、2015年1月から3月にかけて、下地市長は県内の陸自関係者や沖縄防衛局幹部と複数回にわたり会談している。

 1月の会談で、下地市長は市が「千代田カントリークラブ」周辺に県営公園を誘致予定だったが、昨年11月の知事選で自身が推さなかった翁長雄志知事が就任したため「先行きが微妙」との見解を示し、陸自配備地として「千代田」の活用を打診した。3月の防衛局幹部との懇談では「千代田」の全ての用地を取得するよう求めた。

 下地市長はこれまで陸自の配備について、市議会3月定例会で「国が近々調査結果を報告したいとのことだ」と述べ、近く打診を受ける可能性に言及しているが、公に賛否を明らかにしていない。

 市議会議論を経ないまま市長が防衛省などに働き掛けていた事実は今後の論議を呼びそうだ。