海銀、2期連続で減収減益 与信費用が増加 3月期連結決算


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 沖縄海邦銀行(上地英由頭取)は12日、2021年3月期の連結決算(対象子会社2社)を発表した。貸出金利息収入は増加したものの、有価証券利息配当金や国債等債券売却益が減少したことなどが影響し、売上高に当たる経常収益は前期比0.6%減の129億5900万円となった。与信関係費用の増加などで経常利益は同16.0%減の11億100万円、純利益は同37.4%減の5億400万円となり、2期連続で減収減益となった。

 銀行単体の経常収益は前期比0.7%減の128億9700万円で、経常利益は同16.3%減の10億9400万円。本業のもうけを示すコア業務純益は、システム関連経費の減少などから同56.4%増の10億2500万円となった。

 不良債権は、金融再生法ベースの開示債権残高が同4.4%減の90億1200万円に圧縮された。しかし、不動産業などの経営悪化に伴い、個別貸倒引当金繰入額が5億円積み上げられ与信関係費用を押し上げた。

 上地頭取は「沖縄の観光が元気になり、地元が元気になれば、地元の金融機関も呼応してさまざまな業務が活発になってくる。今は待ちの状態だ」と述べ、新型コロナワクチン接種の進捗(しんちょく)が今後の県経済に影響を及ぼすとの見解を示した。

 貸出金利回りは前期比0.13ポイント低下し1.81%だった。新型コロナ関連融資制度への対応により事業性貸出が増加したことなどから、貸出金(平均残高)は同7.1%増の5404億7600万円となり、利息収入は前期を上回った。

 預金(平均残高)は同8.5%増の7425億4200万で、新型コロナの影響で個人消費が控えられ、事業者が手元資金を厚くしたことなどから個人・法人とも増えた。

 22年3月期の連結業績見通しは、経常利益が4億9千万円、純利益が5億2千万円と見込んでいる。