県内レンタカー3割減 20年度 コロナ長期化、2万8809台


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 年々右肩上がりで増えていた県内のレンタカー登録台数が、新型コロナウイルスの影響を受けて減少している。県レンタカー協会は県内のレンタカー登録台数について、19年度の4万1155台から20年度は前年度比30%減の2万8809台に減ったと推計している。コロナ禍が長期化し、経営体力を維持するために車を減らし、駐車するためのヤードを売却する事業者も増えている。

 ヤード売却の事業者も

 車の保管場所が減少したために、今後、コロナ禍が収束して需要が戻っても、すぐに増車することが難しくなっている。同協会の白石武博会長は「観光客が戻ってきても、レンタカーの台数を元に戻すことは難しい。観光インフラが毀損(きそん)している」と危機感を示す。

 コロナ以前は、個人旅行の増加に伴ってレンタカー需要も伸び、県内のレンタカー台数と事業者数は最近10年間で2倍近くに増えていた。19年末まで、那覇空港近辺の豊見城市などを中心に、広い土地を確保して多数の車を駐車するレンタカー事業者が目立った。

 しかし、コロナ禍で状況は一変。大型連休と夏休み、年末年始の需要期に観光客が激減し、売り上げが急激に落ち込んだ。レンタカー事業者はリースしている車両を減らして経費を抑えるなど、対応を続けてきたが、影響の長期化によって事業の基盤である駐車用の土地を手放す動きも加速している。

 豊見城市豊崎のレンタカー業者は昨年、駐車用の土地を売却し、保有台数を1100台から800台に減らした。今年の大型連休の稼働率は7割程度だったが、コロナ前と比べると客の数は半分程度だという。レンタカー貸出施設を大型連休終了後から休業し、空港近くの支店に客を集約して経費節減を図っている。

 担当者によると、需要の高まる夏場などに向けて車両を増やすには、3カ月以上前から準備する必要があるという。「(先が見えない中で)増車するのはギャンブルだ」と話した。