不屈館で島袋琉球新報論説委が講演 「米軍情報隊CICとカメジロー」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
米軍の住民への監視活動について証言する内村千尋さん(左)と講師の島袋貞治琉球新報論説委員=15日、那覇市若狭の不屈館

 那覇市若狭にある不屈館は15日、講演「米軍情報隊CICとカメジロー」を開いた。講師の島袋貞治・琉球新報社論説委員が、沖縄で復帰運動に反対する住民などを監視した米陸軍対敵諜報(ちょうほう)隊(CIC)を取材した体験などを紹介した。島袋論説委員は「県民が県民を監視する状況は沖縄戦や米統治下で終わらず、名護市辺野古の新基地建設が強行される沖縄で今も続いている。そうさせている権力の存在がある」と指摘した。約30人が聴講した。

 CIC所属兵の故・儀間昇さんや西岡康成さんへの取材に基づき、島袋論説委員が米統治下におけるスパイ防止(防諜(ぼうちょう))活動の実態などを解説した。復帰前の琉球警察がCICに密接に協力していたことに触れ、「復帰から来年で50年になる中、証言者も少なくなる。さらなる掘り起こしが課題だ」と語った。

(左)故・儀間昇氏 西岡康成氏

 監視対象だった瀬長亀次郎氏の次女で、不屈館の内村千尋館長も家族全員が監視対象とされていた実態を紹介した。

 講演は企画「復帰50年に向けて 平和を考える展示と講演会」の初回。次回は6月20日午後2時、元毎日新聞大阪本社編集局長で琉球新報客員編集委員の藤原健氏を講師に、演題「戦争と治安維持体制 32軍と新聞について触れながら」で定員40人。申し込みは不屈館(電話)098(943)8374。