琉球FC、栃木に4-2で逆転勝ち 茂木がミドル弾、池田のシュートに李が反応


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 サッカー明治安田J2第14節は15日、各地で行われ、FC琉球は沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで栃木SCと対戦し、4―2で勝利した。10勝1敗3分けで勝ち点33。順位は2位。先制されたが前半を2―2で折り返し、後半に2得点した。琉球は選手1人が新型コロナウイルスのPCR検査で陽性だったと14日に発表。その他の選手、スタッフは同日に検査を受けて全員陰性だった。試合開始3時間前にオンサイト検査を実施し、陰性となった選手、スタッフがエントリーした。次節は22日午後6時から、同スタジアムでモンテディオ山形と対戦する。

(1)タピスタ
琉球 10勝3分け1敗(33)
 4―2(2―2,2―0)栃木 3勝5分け6敗(14)
▽得点者 【琉】 清水(3)上里(1)茂木(2)李栄直(1)【栃】 乾(1)西谷(1)
▽観客 2188人

 【評】前半開始早々に先制点を奪われたが、その後は主導権を握り、逆転に成功。しかし前半終了間際にワンチャンスを決められ2―2で折り返した。後半は硬直状態が続いたが、茂木駿佑が29分にミドルシュートを放って勝ち越し。ボールを支配しつつ、追加点を奪い、突き放した。


 

琉球―栃木 後半、試合の流れを変える勝ち越し弾を決め、仲間の手荒い祝福を受けるFC琉球の茂木駿佑(下)=15日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(ジャン松元撮影)

 途中出場の茂木駿佑が値千金のミドルシュートで勝ち点3を引き寄せた。2―2の後半29分、硬直状態の中、スローインを受けると左サイドから中央へ切り込み「狙っていた」と局面を変える大きな1点を奪った。ボールはGKの前でワンバウンドし、左ポストすれすれにゴールへ吸い込まれた。

 苦しい場面での勝ち越し弾に、歓喜の輪ができた。45分には、池田廉のシュートに李栄直(リ・ヨンジ)が反応し、軌道を変えて4点目を奪った。李は昨年の加入後、初得点。喜びの言葉は少なく「変わらずに準備するだけ」と淡々としていた。後半途中出場の2人が限られた時間で結果を残し、勝利を呼び込んだ。

 失点は前半3分と44分で、いずれも要注意とされる時間帯。上位を見据えてシーズンを戦い抜くには、集中力を欠き気味になる時間帯での失点は大きな課題となる。

 いきなり先制されて多くの観客がホームで冷や汗をかいたが、崩れることなく、点を取り返す展開に高揚感もただよった。茂木は「チームが勝つのが1番だが、自分も活躍したい」と得点にこだわり突き進む。

 (大城三太)


全体でプラン共有

 樋口靖洋監督(琉球)の話 栃木はロングボール主体でくると予想し、セカンドボールを奪うことに集中した。前半最後の失点はやってはいけないミス。後半は、じれることなくボールを走らせることができた。全体でプランを共有し、相手の出方をうかがいながら戦えたことは収穫。

最後にばたばたした

 田坂和昭監督(栃木)の話 勝ちに行こうと3バックに形を変えて臨んだ。最後にばたばたっと失点したが、やろうとしたことが少しはできた。パスをつなぐのは相手の方が上で、クオリティーの差が出た。最後の15分間勝負したかったが、逆にミドルを決められてしまった。