復活!「夕日映え」人気スポットのヤシの木 無断伐採から3カ月


社会
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ヤシの木が復活した「ナッコーリバマ」で笑顔を見せる、国吉真紀さん(左)と比嘉徹さん(比嘉さん提供)

 沖縄県読谷村高志保と波平にまたがる海岸「ナッコーリバマ」の私有地に植えられたヤシの木4本が、無断で伐採されているのが発見されてから約3カ月。夕日とヤシの木がつくる美しい風景を取り戻そうとこのほど、寄付などによってヤシの木14本が植栽された。土地所有者でヤシの木を再び植えた国吉真紀さん(59)は「仲間の協力があって復活できた。ビーチを守り、癒やしの場にしたい」と話した。

 無断伐採が見つかったのは今年の2月。景観をよくしようと1月末に植えたばかりだったが、5本中4本が根元から切られていた。落ち込む国吉さんに、多くの激励の言葉が届いた。国吉さんは「もう一度ヤシの木を植えよう」と決意し、2月20日に友人と「復活プロジェクト」を結成した。

 購入しようとヤシの木を探し回る中で、報道で無断伐採を知ったという今帰仁村の任意組合「やんばる緑花木」から、ヤシの木4本を寄贈したいとの申し出を受けた。代表の島袋純さんは「ヤシの木も生き物で、勝手に切るのは殺すようなものだ。国吉さんが元気になればと思った」と振り返る。

 復活プロジェクトメンバーからの寄付などで10本を購入し、伐採されずに残っていた1本を含めナッコーリバマには現在、15本のヤシの木が並ぶ。今後は防犯カメラを設置する予定だという。

「ナッコーリバマ」に新たに植栽されたヤシの木=18日、読谷村