激戦地の土砂採取で参考人招致 陳情者と採掘業者、両者の主張聞く 豊見城市議会


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本島南部の遺骨を含む可能性のある土砂採取断念に向けて、意見を述べる金城博俊氏=18日、豊見城市議会

 【豊見城】豊見城市議会の総務財政常任委員会は18日、沖縄本島南部からの土砂採取計画断念を求める陳情に関する、関係者の参考人招致を実施した。陳情者で市根差部のトマト農家金城博俊氏と、糸満市米須で採掘を計画する沖縄土石工業の永山盛也社長が参考人として招かれ、意見を述べた。両者の意見を踏まえ、19日も審議を続ける。20日の最終本会議で採決する見通し。

 委員らは金城氏に、3月定例会で土砂に関する意見書を否決した野党議員の主張について「どこが間違っているのか」と問うた。金城氏は「(野党は)業者の立場で考えている。なぜ戦没者の遺骨に寄り添うよう、考えを改めないのか」と訴えた。その上で、遺骨が残る可能性のある土砂を埋め立てに使わないよう国に対し、意見書を提出することなどを求めた。

 一方、永山社長は「鉱山の琉球石灰岩に遺骨が混入することはない」と断言。仮に含まれるとしたら表層部分であり、採掘する時は「表土と石灰岩をはく離する」と主張した。「表土を別の場所に保管する以前に、遺骨をしっかり探す作業はしないのか」との質問には、「磁気探査をする。その時に目視できるものは全部確認している。ただ、目視にも限界があり、国で(収集を)してほしい」と述べた。