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飛行機の中で泣いた…17歳の新垣結衣さんが誓ったこと


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
新垣結衣さん=2005年12月、東京都

 沖縄出身で俳優の新垣結衣さんが19日、ミュージシャンで俳優の星野源さんと結婚することを発表しました。琉球新報の2006年新年号に掲載された記事を再掲します。(年齢は当時のまま)

<今年注目! 県出身タレント>輝く笑顔 全国区 「本物の私で頑張る」 新垣結衣

 普通っぽいのに、何かが特別。飛び切りの笑顔に、印象的な黒い目。優しさ、元気さ、ふとしたはかなげな感じ—違った表情を次々に見せる。

 「ガッキー」の愛称で親しまれる十七歳は、小中学生向けファッション雑誌「nicola」の超人気「ニコモ(ニコラモデル)として中一から高一まで大活躍。その笑顔でたくさんの人を魅了してきた。

 小学校低学年のころにSPEEDにあこがれ、アクターズスクールのオーディションに何度か挑戦したが不合格。中一の夏休み、姉の勧めで「ニコラ」の読者モデルオーディションを受け、見事に合格。「面接ではおしゃれな服を着た東京の子がきらきらしていた」と振り返るが、自身は「オカッパ頭に短パンで、場違いじゃないかと思っていた」。

 小学校までは那覇市内ですごし、中学時代は大里村内の中学校に通った。女子バスケ部で一番背の高いマネジャーを務めたという面白い経歴の持ち主だ。

 中学卒業までほぼ毎週末、東京に飛んで仕事をした。自然な笑顔の魅力で、ニコラの中でも飛び抜けた人気者に。「身長が高いだけで、特技があるわけでもないし、とても普通だったと思う。でも仕事はとても楽しくて、素で笑っていたんです。そこを分かってくれたのかな」。

 中学卒業を間近に、本格的に仕事をするため東京の高校への進学話が具体化する。「離れ難くて嫌でした。中学時代はこれ以上のものはないくらい楽しかったから」。沖縄をたつ日、空港には部活やクラスの友人が寄せ書きやゴーヤーを持ってきてくれた。「飛行機の中で泣きました。東京に着いて、新しい部屋で寝て、朝起きた時、ここはもう沖縄じゃない、違う所に来ちゃったと、また泣きました」。

 二〇〇五年春にニコラを卒業。その後、テレビドラマやバラエティー番組に進出する。「テレビの仕事がだんだん楽しくなりつつある。最初は恥ずかしくて人前でお芝居をする気などなかったが、最近では違う人になることが楽しくもあります」。

 バラエティー番組への出演には戸惑いもあった。「自分の位置が分からなくて、発言とかガンガンした方がいいのかと思ったけど、そうなると自分を作ることになるし、疲れちゃうんです。ホントに楽しめばいいんだと思うようになりました」。

 一月九日には、初主演となったP&Gパンテーンドラマスペシャル「トゥルーラブ」(フジテレビ系、沖縄での放送は未定)が放送される。父と娘の人間ドラマで、真木蔵人の娘役を演じた。

 今後は「ジャンルを決めずに、やれることはやってみたい。まだ自分探しの途中です。これからも探し続けようと思います」。かつて目指した歌と踊りの世界に、「音楽は大好きなんでいつかしっかりやりたいです」。今年の抱負は「とにかく健康に、自分にうそはつかずに、本物の私で皆さんの前に出られるように頑張ります」。

◇ ◇ ◇

 あらがき・ゆい 1988年6月11日、那覇市生まれ。中1の夏、小中学生向けファッション誌「nicola」(新潮社)読者モデルオーディションに合格。超人気モデルとして活躍する。

 現在はテレビ中心に活動し、ドラマではTBS「ドラゴン桜」の生徒役、フジテレビ「女の一代記〜越路吹雪〜」では越路(天海祐希)の少女時代を演じた。2006年1月9日放送(沖縄での放送未定)のフジテレビドラマ「トゥルーラブ」で初主演を果たす。バラエティーではフジテレビ「平成教育2005予備校」、日テレ「落下女」(沖縄未放送)にレギュラー出演。NTT東日本企業広告に出演中。特技はゴーヤーチャンプルー作り。趣味はイラストとカラオケ。

(2006年1月1日掲載)