緊急事態宣言要請 追加可否あす判断か 政府分科会


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 県が政府に新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐ緊急事態宣言の対象地域への追加を要請したことで、宣言の発出を判断する際に専門家に意見を求める政府の「基本的対処方針分科会」の開催日程に注目が集まる。19日夜に開催された、コロナ対策を厚生労働省に助言する「アドバイザリーボード」(脇田隆字座長)の結果を踏まえる。政府関係者の見方では、分科会が21日に開かれ、政府は同日で沖縄の宣言追加の可否を示すとみられている。

 「より強い対策が必要だ」。脇田座長はアドバイザリーボード終了後の会見で県の感染状況について、こうした見方を示した。「タイムリーに強い対策を取る必要がある」とし、緊急事態宣言の適用にも含みを持たせた。

 大型連休が明けてからの感染者の増加について「他県からの来島者の感染が目立つ」と指摘。特に那覇市を中心とした都市部で20~30代の感染者が増えているとし、「今後、感染者数がこのペースで増加すると高齢者への感染波及、重症者の増加、医療の逼迫(ひっぱく)につながる可能性がある」と懸念を示した。

 加藤勝信官房長官は19日の会見でアドバイザリーボードの評価・分析を踏まえて、県への宣言適用の是非を判断する意向を示している。今後、政府内での協議を経て、分科会で最終決定される見込みだ。

 現在、東京や大阪など6都府県に出されている緊急事態宣言の期限は、今月31日までとなっている。仮に沖縄の追加が認められ、分科会を開くとみられる21日から宣言の効力が発生した場合、6都府県の期限と合わせると、10日程度の宣言期間となる。

 ただ、県は緊急事態宣言による制限で、県の警戒レベルを現在の最高の第4段階から、第3段階へ引き下げることを目指す考え。謝花喜一郎副知事は19日の会見で、沖縄の宣言の期間について「国が判断する」としつつも、「5月末で状況が収まるというのは現時点で想定できない」と述べ、延長を求める可能性を示唆している。

 緊急事態宣言の追加を巡り、19日時点で政府から明確な回答はない。一方、西村康稔経済再生担当相は18日の玉城デニー知事との面談で、「まん延防止等重点措置」での対策の徹底を求め、宣言の追加に関する考え方は示されなかった。北海道などは宣言発令を要請したが、認められなかった経緯もあり、想定通りに県が宣言の対象に追加されるのかは不透明な部分も残る。