HY、さんごの歌で誓う「語り継ぎ」 石嶺小児童、平和の礎で歌ささげる


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 【糸満・那覇】那覇市立石嶺小学校(砂川深雪校長)の6年生153人は4月30日、平和学習の一環で糸満市摩文仁の県平和祈念資料館を訪れた。見学後に公園内の「平和の礎」に千羽鶴をささげて黙とうし、沖縄戦で犠牲になった戦没者の冥福を祈った。6年生は鎮魂の思いを込め、さんごの「いのちのリレー」、HYの「帰る場所」の2曲を歌い、恒久平和を願った。

恒久平和を願い、鎮魂の思いを込めて歌う6年生=4月30日、糸満市摩文仁の平和祈念公園内、平和の礎前(石嶺小学校提供)

 歌った2曲は6年生が4年生の時、学習の成果を発表する「嶺っ子発表会」で披露した思い出の曲でもある。6年生は社会科の授業で戦争の歴史について学びを深めており、沖縄戦最後の激戦地だった摩文仁でこの曲をもう一度歌いたいと児童自身が選曲した。

 大河原瑞輝さん(6年)と深野茉莉衣さん(同)は「いのちのリレー」の歌詞にある「あの日をもう二度と 繰り返さないように」を自分ごととして捉え、「『二度と戦争を起こしてはいけない』という強い思いを込めて歌った」と話す。大河原さんは「戦争を体験された方々が高齢になっていくので、僕たちが語り継げるようにしたい」と語った。深野さんは「青い海を背景に全員で歌うことができて心が晴れ晴れした。『自分たちが語り継いでいく』という平和を宣言しながら歌った。同世代に伝えていきたい」と思いを新たにしていた。

 礎には、大河原さんをはじめ、家族や親せきの名が刻まれているという児童も多くおり、歌声を響かせ「平和」を発信した。
 (中川廣江通信員)