「ワクチン接種完了したらマスク不要」沖縄の米軍が方針発表 基地外では着用


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 新型コロナウイルスの感染予防対策を巡り、米空軍嘉手納基地と在沖米海兵隊は17日、既定回数のワクチンを接種した構成員に対し、マスクを着用せず一定の活動を認める方針を発表した。ただ、基地外にいる時や公共交通手段の利用中、特に指示がある場合などには着用しなければならない。

 ワクチンが感染拡大のリスクを軽減し、感染予防に安全かつ有効だと証明されたことを根拠としている。接種が完了していれば、店内での飲食や娯楽施設、ジムなどの利用も可能になった。バーやナイトクラブ、パブなどは禁止している。

 群星沖縄臨床研修センター長の徳田安春医師は米軍の方針について「最近出た米疾病対策センター(CDC)の指針に準じたのだろう。だが、CDCの判断は時期尚早で、マスク着用はしばらく続けた方がいいという意見が一部の米国内の専門家からもある」と指摘した。

 徳田医師によると、日米両政府は日本人基地従業員への接種による副作用については、補償の対象にはならないとしている。その結果、基地従業員は接種できておらず「ワクチン格差」が生じているとし、「マスク着脱のルールは決まっているようだが、人間は100%その通りに行動できるとは限らない。従業員を守れるのか」と疑問を呈した。ワクチン完了後にも感染する「ブレイクスルー感染」の可能性にも注意を促した。

 在沖米海軍の構成員についてはワクチン接種の有無や場所を問わず、基地従業員を含む日本人と接する際にはマスクの着用を義務付けている。本紙は陸軍にも方針を問い合わせたが、現時点で回答はない。