客席と一体 熱く ナオキ屋バンド 個性的な歌、演出で魅了


この記事を書いた人 Avatar photo 玉城江梨子

 読谷村のアーティスト「ナオキ屋」バンドのライブが9日、那覇市の琉球新報ホールで開催された。全14曲、エンターテインメント性にあふれた個性的な歌とパフォーマンスで、観客もアーティストも一体となって盛り上がった。新報アートルネッサンスの一環。

バンドと共にタマシイ(左)らゲストを交え、痛快なステージを繰り広げるナオキ屋(中央)=9日、那覇市泉崎の琉球新報ホール(ジャン松元撮影)

 幕前で歌う「象の檻」からライブは始まった。歌声に合わせてペンライトを振る観客。歌い終えて一度姿を消したナオキ屋は、幕が上がると自転車に乗ってさっそうと登場し、サックスパフォーマンスで魅了する。「絶対に声を出すなよ!こんな時代に来てくれてありがとう!」とシャウトし、息が切れんばかりに「オレオレロック1395578」を歌い上げた。

 ラジオ沖縄で共演するタマシイは「昭和と平成~SHOW WHAT TO HEY SAY~」で、ゲスト出演した。舞台が興奮に包まれる中、曲順表がなくなるトラブルがあったが、それも笑いに変えるナオキ屋。「紅イモタウン」では一転、ブルーライトに照らされムーディーな雰囲気に舞台を染め上げた。

 「Yes No まくら」で、歌いながら自らの半身を別の生き物のように操る芸で笑わせると、続くMCでは吸いながら声を出す技を披露した。ナオキ屋の呼び掛けに応じるように、観客も吸いながら出す声で「ナ、オ、ギー」と声援を送った。

 アンコール後、ラストは「紅いもタウン」で締めくくった。「手と手をつないで」とナオキ屋がアカペラで歌うと、客席からも静かに歌声がわき起こる。歌い終えると、ナオキ屋は右手を前に紳士的に一礼。最後まで、観客との一体感を保ち幕を下ろした。  ほか出演はナリGラブ(ベース)、onoway(ドラム)、石嶺伝弘(ギター)、サキマジュン(キーボード)  

(藤村謙吾)

魂を込めた歌声を響かすナオキ屋(右)