石垣島でコロナ急増 5月累計156人 大型連休中の会食で拡大か


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石垣市では17日に一般高齢者向けのワクチン接種が始まった。しかし感染の収束は見通せない状況だ=17日午後、石垣市総合体育館

 【石垣】5月上旬までの大型連休以降、沖縄県石垣市で新型コロナウイルスの感染者が急増している。県八重山保健所管内では、5月の陽性者数が156人に上る。大多数が市内に住む人で、収束は見通せない。

 管内では21日にも新たに18人の陽性者が確認された。八重山保健所によると模合など飲酒を伴う会食ではなく、職場での昼食や家庭内を通じた感染があるという。

 21日に開かれた八重山地域新型コロナウイルス対策本部会議後の記者会見で、八重山保健所の木村太一所長は、石垣で感染が広がる理由について、大型連休中の市民同士の交流が背景にあるとの認識を示した。市内では4月まで感染者数が抑えられていた。5月の大型連休中に、市民が会食やバーベキューなどで交流する機会が増え、感染が広がった可能性があるという。

 感染拡大を受け、医療機関の患者受け入れ体制や、医療の提供体制にも影響が出ている。宿泊療養施設の空室待ちのために自宅で待機している患者は、20日時点で25人となった。感染者の病床を確保するため、県立八重山病院では、手術を延期するなどの制限が当面続く見通しだ。

 八重山地区医師会の上原秀政会長は「八重山病院は地域の基幹となる病院で、診療が制限されると八重山地域の医療全体がダウンする。八重山の医療は疲弊している」と苦しい胸の内を明かした。