土地規制法案は「基本的人権を侵害」 沖縄弁護士会が声明


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 安全保障上重要な施設周辺の土地利用を規制する法案について、沖縄弁護士会(畑知成会長)は21日、「プライバシーや思想・良心の自由など多くの基本的人権を侵害する恐れが極めて大きい」として法案に反対し、今国会での廃案を求める会長声明を出した。全国の弁護士会で、同法案への反対声明を出したのは初めてとみられる。

 法案は重要施設の周辺を「注視区域」に指定し、所有者らの調査や妨害行為への中止命令を可能にする。声明では、注視区域を無限定に拡大して指定できる上、調査対象者が広範に及ぶと指摘。「土地利用者らの行動や思想信条など、際限なく調査が拡大される恐れがある」とした。沖縄は多くの米軍基地を抱えているとし「県民の誰もが法案による調査規制対象となってもおかしくなく、知らないうちに監視下に置かれる恐れもありうる」と警鐘を鳴らす。声明文は菅義偉首相や上川陽子法相らに送付する。

 杉田水脈衆院議員が、名護市辺野古の新基地建設反対運動をする市民にも同法の適用を検討するよう求める発言をしたことに畑会長は「そこまで規制の対象に加えようとするのは危険だ。何とでも読める法律を使って排除しようとするのなら、断固として否定しないといけない」と話した。