富樫は抑えたが…キングス初戦で千葉に黒星、命運分けたリバウンド CS準決勝


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 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西1位)は22日、沖縄アリーナで千葉ジェッツ(東2位)と2戦先勝方式のチャンピオンシップ(CS)準決勝第1戦を行い、85―96で敗れた。第2クオーター(Q)で一時14点差まで離されたが、田代直希や岸本隆一の活躍で1点差まで詰め寄り後半へ。しかし第3Q、守備の強度を上げた千葉にスチールを連発され、一気に突き放された。残り2分を切って一時3点差まで追い上げたが、あと一歩届かなかった。第1Qの終盤には会場の照明が2回暗転するトラブルがあり、10分ほど試合が中断する場面があった。第2戦は23日午後4時5分から、沖縄アリーナで行う。

【B1チャンピオンシップ】
▽準決勝第1戦(沖縄アリーナ、4017人)

千葉(東地区2位)1勝
 96―85(19―17,23―24,31―18,23―26)
キングス(西地区1位)1敗

 【評】リバウンドの数で32対49と劣勢に立ったキングス。特に攻撃リバウンドは19本を許し、ゴール下で着実に加点された。攻撃では内外から得点したものの、後半は3点弾の確率も上がった千葉の攻撃を最後まで抑えることができず、準決勝の初戦を落とした。


“制空権争い”命運を分ける
 

琉球―千葉 第1Q、千葉に激しいプレッシャーをかけるキングスのジャック・クーリー(中央)、ドウェイン・エバンス(右)ら=22日、沖縄市の沖縄アリーナ(又吉康秀撮影)

 今季の1試合平均リバウンド数がリーグ2位の36・8本だったキングスと、トップの37・1本だった千葉がぶつかったCS準決勝の第1戦。今カードにおける最大の見どころである“制空権争い”が、やはり勝負の命運を分けた。

 「準々決勝で千葉がゾーンに引っ掛かっていたから、うまく守れれば」(田代直希主将)と、キングスがゾーン守備を敷いた第2Qの序盤。日本国籍取得選手であるギャビン・エドワーズに加え、外国籍選手2人を同時にコートに立たせた続けた千葉が一気にインサイドを支配する。このクオーターだけで攻撃リバウンドを11本も奪われ、最大14点差まで引き離された。

 その後も粘り強く何度も点差を詰めたが、リバウンド争いで常に劣勢に立たされたキングス。前半は日本代表ガードの富樫勇樹を徹底マークで無得点に抑え、千葉の持ち味である速攻をつぶしたが、後半は徐々に速い攻めから失点を許すようになり、逃げ切られた。

 一方で、攻撃では内外からバランスよく加点し、今季の平均得点(82・8)を上回る85得点。守備でも持ち味のハードワークを最後まで維持し、最終盤で3点差まで詰め寄った。「やりたかった攻撃と守備はできた」(田代)とチームに悲壮感はない。

 明確な課題を前に、雪辱を誓う藤田弘輝HCはこう言い切った。「千葉のリバウンドからのリズムを少しでも無くせれば、僕らのゲームになる。我慢ができれば勝てる」。次戦は全員でリバウンドの意識をより高め、主導権を握りたい。

 (長嶺真輝)


勝つチャンスあった

 藤田弘輝HC(キングス)の話 相手の方が大きくて、速い選手が多い。その中で選手たちは本当にファイトしてくれて、最後には勝つチャンスもあった。あと少し頑張って、どれだけリバウンドを取れるかだけ。次戦も泥臭く頑張っていきたい。

もう1勝へ準備する

 大野篤史HC(千葉)の話 勝ち切れてほっとした。CSは危機感を持って戦わないといけない。そこを選手も理解している。ただ各ポジションで責任を放棄してしまい、勢いを逃した時があった。次戦は徹底し、もう一つ勝てるように準備したい。