人出まばら「慣れちゃったね」…緊急事態初日の沖縄、我慢と不満


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臨時休館を知らせる沖縄美ら海水族館の看板=23日、本部町

 新型コロナウイルスの感染拡大防止対策で、沖縄県全域を対象とした緊急事態宣言が23日、適用された。宣言に伴って一部の観光施設は休業となり、人出はまばらになった。事業者は「今が踏ん張りどころ」と、我慢を続ける。一方、長引く自粛生活に「緊張感は薄れた」との声も漏れる。

■北部■

 国頭村の「道の駅ゆいゆい国頭」は、地元客らが食事や買い物に訪れていた。昼時だが、野外の食事スペースは空席も目立つ。村観光協会の神山徳夫事務局長は「先週に比べると、昼時にしては客は少ない」とつぶやいた。10日に世界自然遺産登録の勧告があり、観光促進に弾みをつけたいというところで、緊急事態宣言となった。「早く収まってほしい。今が踏ん張りどころだ」と、奮い立たせるように語った。


 

アメリカンビレッジはテラス席で食事する人の姿が目立つ=北谷町美浜

■中部■

 曇り空の影響もあってか、北谷町美浜のアメリカンビレッジも人出がまばらだった。感染対策としてテラス席で食事を楽しむ地元の人や、米軍人やその家族の姿があった。海風に当たりながら食事が運ばれるのを待っていた60代の男性=那覇市=は「風が吹いていて密ではない場所」で食事をするようにしているという。「去年に比べるとコロナの緊張感は薄れた。みんな慣れちゃったね」とつぶやいた。


 

マスクを着用しモール内を歩く買い物客ら=豊見城市豊崎の沖縄アウトレットモールあしびなー

■南部■

 那覇空港近くの豊見城市の瀬長島では、潮干狩りや浜辺で遊ぶ親子連れ、海を眺めながら昼食を取る観光客らの姿が見られた。30代の保育士の男性は、家族4人で貝殻拾いを楽しんでいた。人が多い商業施設を避けて海を選んだという。「4歳の長女と2歳の長男が1日中自宅にいるとぶつかることが多い。発散させたかった」と話した。

 豊見城市豊崎の沖縄アウトレットモールあしびなーを訪れた30代の会社員は緊急事態宣言について「何回やるんだ」と不満そうに話した。人との接触を避け、マスク着用や手指消毒をするなど自分でできる対策は講じているとし「(コロナ禍に)慣れてきている。宣言は効果がないんじゃないか」と疑問視した。