梅雨の時期を迎えた沖縄。県内各地の通信員から花の便りが届いた。
◆イジュが満開 かれんな花も/伊是名
【伊是名】梅雨入りした伊是名村は新しい花が次々と咲き始めている。村内に数本あるイジュの花も満開だ。伊是名では珍しい花となっており、アーガ山の南側の道路脇や勢理客区の大(うふ)山の下などに見られる。月桃も例年より早く開花している。
海岸近くでは自生のハマボッスや、リュウキュウテリハノイバラの白い花が潮風の当たる場所や岩の隙間など過酷な環境の中で力強くかれんに咲いていた。
(比嘉陽子通信員)
◆ビヨウヤナギ 黄花鮮やかに/名護
【名護】名護市内の民家の庭や、道路わきの花壇などでビヨウヤナギが咲いた。梅雨の時期は白い花が目立つが、黄色い小さな花もかわいらしさがある。
中国原産で約300年前に渡来した。小高木でよく栽培される。花は直径5センチ、黄色の5枚の花弁がある。葉は十字対生。枝先が垂れ下がり、葉がヤナギに似ているのでビヨウヤナギと呼ばれるが、ヤナギの仲間ではない。
買い物に行く途中の主婦は「梅雨時に黄色の花は気持ちが明るくなる」と笑顔で話した。
(幸地光男通信員)
◆ムーチー三姉妹 華やかに美競う/名護
【名護】ムーチー(鬼餅)やおにぎりを包むのにやんばるで広く利用されてきたゲットウやクマタケラン、アオノクマタケランの「ムーチー三姉妹」がそろって開花した。華やかに美を競っている。
ゲットウはムーチーのナンバーワン。「あの香りが何とも言えない」と昔から親しまれている。光沢のある花びらが特徴。中国、インドなどに分布。
クマタケランは畑の境界線によく植えられている。香りはほどほど。強烈でないのでムーチーを包むのに若い人に好まれているようだ。「ゲットウは香りがきつすぎて食べるとき鼻につく」と敬遠されがち。葉は「おにぎりを包むには最適」という。唇弁はクリーム色。
アオノクマタケランは小ぶりだが花はそっくりラン。美しい。森深い場所でよく見掛ける。いずれもショウガ科。殺菌効果がある。
(幸地光男通信員)