サトウキビかすでストロー製造 台湾の企業が県内事業者と連携へ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
サトウキビの搾りかすで開発・製造した鉅田クリーンテックのストロー(同社提供)

 台湾中部の新興企業「鉅田(ジュティン)クリーンテック」(南投県、黄千鐘(ファンチエンゾン)CEO=最高経営責任者)が、沖縄県内の事業者と連携し、サトウキビの搾りかすを原料にしたストローなどの開発・製造を検討している。県内で多く出るサトウキビかすを再利用でき、プラスチック使用の削減など環境負荷の軽減も期待できる。同社は24日までに琉球新報の取材に応じ、早ければ今年10月にも具体的な計画を示したいとした。

 鉅田クリーンテックは2018年に創業し、コーヒーやサトウキビの搾りかすなど農業廃棄物を原料に、ストローや食器などを開発・製造している。同社の県内進出は初めて。

 今後、沖縄に技術を移転し、県内の連携先でストローなどを製造する。県内の連携先は現時点で公表していない。

農業廃棄物を原料にストローや食器を開発・製造する鉅田クリーンテックの黄千鐘(ファン・チエンゾン)CEO(同社提供)

 琉球新報の取材に、黄CEOは「沖縄には製糖場が多く、毎年産出されるサトウキビの搾りかすも多くある。サトウキビかすが十分に運用されていないため、約1年前に沖縄の企業から連携の打診が来た」と述べ、沖縄での事業展開について経緯を説明した。

 同社によると、毎年約800万トンのプラスチックごみが世界中の海に捨てられており、気候変動に次ぐ大きな環境問題となっている。同社はプラスチックごみの減少を目指そうと、自然分解されて、土壌に戻るリサイクル製品の開発にも注力している。現在、日本など30カ国超で製品を販売している。

 黄CEOは「沖縄は海に囲まれており、海洋プラスチックごみの問題にも悩まされている。リサイクルのペットボトルなどを活用し、飾り物などの開発も検討したい」と述べた。
 (呉俐君)

※注:黄千鐘CEOの「黄」は旧字体