沖縄・川崎川PFAS基準値超え 汚染源は? 広域調査求める声


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国の暫定指針値を超えるPFOSやPFOAが検出された川崎川=25日、沖縄市登川

 暫定指定値の約60倍もの有機フッ素化合物(PFAS)の一種PFOS、PFOAが検出された沖縄市の川崎川。県の調査で検出結果が明らかになったものの、汚染源の特定や除去に向けた作業など先は見えない。

 産業廃棄物処分場や工場などが立地する倉敷周辺では、古くはダイオキシン、最近ではPFOSとさまざまな有害物質が高濃度で検出されてきた。地域で環境汚染の監視を続ける、倉敷ダム流域振興促進協議会の池原秀明会長は「いろいろな会社が排水を出すし、ごみ山から有害物質が流れ出す可能性もある。地下水も深さによっては1カ所から広範囲に広がる。どこから有害物質が出てくるか分からない」と話す。

 今回、高濃度のPFOSが検出された川崎川の支流は米軍キャンプ・シールズにも近い。ベトナム戦争時には印刷工場があり有機水銀も流されたというが、現在は住宅地で、たまに土木工事の大型機械が洗浄されているという。「目に付くところに排水溝はないが地表面を流れる水までは分からない」とし、広範で系統的な調査の必要性を指摘する。

 県内の水質調査は、汚染の由来が米軍か処分場かで県の担当部署が異なり、同じ地域の調査結果でも一つの地図上に集約されていない。調査団体インフォームド・パブリック・プロジェクト(IPP)の河村雅美代表は「特に、この地域の汚染は分からないことがとても多い。縦割りではなく、各部署の調査結果を集約して戦略的に対応するべきだ」と指摘した。