ワクチン予約電話パンクの名護市、混乱続く 沖縄市は年齢別募集で対応


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新型コロナウイルスのワクチン接種について問い合わせる市民ら=26日、名護市役所

 高齢者を対象にした新型コロナウイルスワクチンの集団接種の予約を巡り、沖縄県名護市は24、25の両日、インターネットと電話による受け付けに申し込みが殺到し、つながらない状況などが続いた。ある高齢者は「500回以上かけても電話がつながらない」と憤った。同様の状況が起こった豊見城市は、次回の予約は対象年齢を86歳以上に絞って対応する。沖縄市は、当初から年齢層を分けて予約する方法を採用したため、混乱は生じていない。

 名護市が24、25の両日行った6月分接種の予約受け付けでは、両日とも電話予約は3時間ほど、インターネット予約は約15分で枠が埋まった。予約枠を前回より1070人多い3170人に拡大したが、混乱は解消されなかった。市民から「なぜ(電話を)5回線しか用意していないのか」「無作為に抽出する方法などを検討すべきだ」などの声が上がっている。市担当者は「集団接種では限界があり、個別接種も並行して進めないといけない」とし、接種場所の確保が課題と指摘した。電話回線の増設や年齢層別の受け付けは、現段階では検討していない。

 豊見城市は、受付枠を900人から1175人に増やし、対象年齢を86歳以上に絞って31日に2回目の予約を受け付ける。混乱を防ぐため、65歳以上の高齢者に事前案内文を発送するなどして周知している。

 県内で2番目に人口が多い沖縄市は、他自治体の予約回線がパンクした状況などを受け、高齢者向け接種の予約を年齢層で分けて募集する方法を採用した。電話を受ける側に余裕を持たせるために、専用コールセンターを設置。桑江朝千夫市長は「電話回線のパンクもなく、スムーズに予約できている」と話した。