初の県総体に胸弾ませ 那覇工業ボートの砂川・坂元ペア練習に汗 高校総体


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息を合わせてボートをこぐ那覇工業の砂川琳音(手前)と坂元月華=16日午前、沖縄市海邦(喜瀬守昭撮影)

 県高校総体が29日から本格的に開幕する。ことしは全国高校総体の2年ぶりの開催が予定されており、全国への切符を懸け、県内の高校生アスリートが大会に臨む。緊急事態宣言下で無観客での開催となったが、選手たちは最高のパフォーマンスを発揮することを誓う。

 那覇工ボート部の“でこぼこコンビ”が初の県総体に胸を弾ませ、練習に汗を流している。3年ぶりにエントリーがあったボートの女子ダブルスカルに出場するのは、那覇工の砂川琳音・坂元月華ペア。競技を始めて約半年と、技術はまだ粗削りだが、「とても頑張り屋でこの2人ならやってくれる」と、競技に誘った一島雅士監督の期待も高まる。5分台での完走を目標に掲げ、息を合わせてオールをこぐ。

 運動が苦手だという砂川と、幼少期に水泳スクールに通っていた坂元は「性格やタイプが正反対」(一島監督)。冷静沈着な砂川が前でコントロールし、天真らんまんな坂元が後ろで力加減を調整する。当初はバランスをとるのも容易ではなく転覆もあったが、坂元は「リズムも合ってきた。できないことができるようになると、もっと(ボートが)楽しい」と成長を実感している。

 一島監督は、4月から全日制から定時制に勤務が変わったため、指導できる時間が大幅に減った。上達への“近道”とされる水上練習も週末のみに。それでも「一生懸命頑張ってくれるので、できる限り応援する」と、2人の成長を後押しし目配りを欠かさない。

 初の大会出場を前に、緊張しっぱなしという砂川は「こぎ方や細かい部分を確認し、無事に完走できるよう準備したい」と意気込む。ぴたりと息を合わせ、ゴールへ突き進む練習に余念がない。
 (上江洲真梨子)