宮古島への弾薬輸送を拒否 沖縄の海運各社連名で「情報なく安全不安」


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ミサイルの搬入が予定されている陸上自衛隊「保良訓練場」=2021年4月25日、宮古島市城辺保良(資料写真)

 宮古島市城辺保良の陸上自衛隊「保良訓練場」へのミサイル搬入開始を巡り、海上運搬に携わる船・荷役の県内主要業者は27日までに、自衛隊の弾薬の輸送や荷役を行わない意向を防衛省に連名で伝えた。宮古島市へのミサイル再搬入に関し、市が求めていた情報が十分提供されなかったことを踏まえ判断した。沖縄防衛局が日時や経路、弾薬の種類について「安全を確保する観点から公表できない」と説明したことを受け、各社の従業員から安全確保を求める声が上がっていた。

 宮古島市へのミサイル搬入について、防衛省は「17日以降に始める」として民間船舶を利用した輸送を検討していたが、今回の申し入れで難しくなり、計画の見直しを迫られている。陸上自衛隊は本紙の取材に、業界からの申し入れを受けたことを認め、対応を「検討中」と答えた。

 申し入れた業者は琉球海運とマルエーフェリー、マリックスライン、沖縄港運、OTK。申し入れ文書で「作業は安全だという認識で何らかの方法を模索していたが、一切の情報がないまま、不安を払しょくするには困難と判断した」との見解を説明した。

 これまで自衛隊側は荷物や車両の輸送を申し込む際、詳しい情報を開示してきた。船や荷役の会社は、危険物が含まれていないことを確認した上で運搬を担ってきた。

 だが今回、防衛局が安全上の観点から情報を明かせないとしたことで、従業員から「危険を伴う可能性がある」「安全を確保しなければ、現在行われている作業も困難」などの意見が挙がったという。
 (明真南斗)