体罰・暴言など目撃した指導者「止めなかった」82% 「口を挟めない」73%<高校部活調査>


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 県教委が実施した「部活動実態調査」の指導者への調査で、「他部活動指導者による体罰.ハラスメントと捉えられる行為を見たことがあるか」の質問には、2.8%(50人)が「ある」と答えた。このうち「その際、その行為を止めたことがあるか」の問いに対しては、「ある」は18.0%(9人)にとどまった。「ない」は82.0%(41人)だった。

 目撃したことのある体罰.ハラスメントの内訳は「暴言(人格を否定した発言等含む)」が最多で、90.0%(45人)だった。「体罰」と「セクハラ」が4.0%(2人)、「無視」が2.0%(1人)だった。

 目撃しても止めなかった理由については「他部活動指導者の指導に口を挟めないから」が最多の73.2%(30人)を占めた。次いで「指導者が怖くて止められなかった」が12.2%(5人)、「このような指導が日常的であり、気にならなかったから」が4.9%(2人)。「その他」は9.8%(4人)だった。

 「あなたの部活動指導に対して、体罰.ハラスメントの訴えがあったか」の問いに、0.8%(14人)が「あった」と回答し、その全員が「解決した」「解決に向かっている」と答えた。

 質問「部活動指導者としての悩みはあるか」は複数回答で、「校務多忙のため思うような指導ができない」が13.8%(679人)、「校務と部活動指導の両立に限界を感じる」が12.8%(629人)。業務量による悩みが上位を占め、心身に余裕のない状態がうかがえる。

 指導者への調査の回答率は45.8%(1807人)だった。


<調査方法>
 県教育委員会が4月1~18日に調査を実施した。対象は県立学校(中学除く)80校で、管理職や部活動指導者、部員とその保護者に実施し、1万2737人が回答した。回答率は31.7%。それぞれの立場の質問項目を設け、ウェブで回答を得た。