部員への連絡に携帯禁止 管理職「周知していない」40%<高校部活調査>


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 県教委が実施した「部活動実態調査」の学校現場の管理職に対する調査では、部員への連絡手段について、私用携帯電話(メール、ライン含む)などの使用禁止を「全職員に周知していない」が40.9%(56人)に上った。コザ高校2年生(当時)の「指導死」の問題では、無料通話アプリ「ライン」で顧問と亡くなった部員が夜中までやりとりをしたことが分かっている。

 指導者と部員の連絡手段について、管理職による取り組みが徹底されていないことを示す。

 県教委によると、2019年に県立学校の学校長宛てに出した「服務の規律の確保について」という通知で、部活動における生徒との連絡は私物の携帯電話(メール、ラインなどを含む)の使用を禁止している。

 部活動に関する悩み(複数回答)については、「部活動を担当する教職員の負担過重」が最多の21.7%(94人)。「部活動を担当する教職員の不足」が16.4%(71人)、「入部者(生徒)の減少」が15.2%(66人)と続いた。

 「部活動指導に対して、体罰.ハラスメントの訴え」の質問では、「あった」が13.9%(19人)、「なかった」が86.1%(118人)だった。

 体罰.ハラスメントの訴えが「あった」と回答した人のうち、「解決した」が73.7%(14人)、「解決に向かっている」が26.3%(5人)で、指導者と同じ傾向だった。「解決されていない」はゼロだった。

 管理職への調査の回答率は92.3%(132人)だった。


<調査方法>
 県教育委員会が4月1~18日に調査を実施した。対象は県立学校(中学除く)80校で、管理職や部活動指導者、部員とその保護者に実施し、1万2737人が回答した。回答率は31.7%。それぞれの立場の質問項目を設け、ウェブで回答を得た。