高齢者施設に予防策を指導へ 浦添市と浦添総合病院が市内58カ所へオンラインで


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 【浦添】新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない中、浦添市は浦添総合病院を運営する仁愛会と協力して、市内の高齢者入所施設向けに、医療従事者が院内で実践する感染予防策を指導するプロジェクトを始める。

新型コロナウイルス感染症予防に向けたプロジェクトの内容について説明する松本哲治市長(右)と浦添総合病院の福本泰三院長=27日、浦添市役所

 市と病院側は31日から、介護老人福祉施設など市内58カ所の高齢者入所施設の利用者や職員を対象にオンラインを活用した研修会を開き、受講者には修了証を発行する。さらに、無料通信アプリLINE(ライン)を使って、病院と施設をつなぎ、施設からの相談に応じる態勢を構築する。要望があれば、病院の担当者が施設を訪問し、直接指導なども行う。

 浦添総合病院が院内で実践する感染予防策は米国の米疾病対策センター(CDC)が提唱する「標準予防策」と呼ばれるもので、手指消毒の適切なタイミングやどのような環境でウイルスが人に感染するかなど、新型コロナを含む感染症にどう対応すればいいかを分かりやすく説明する。

 27日に市役所で会見を開いた松本哲治市長は「感染症対策の専門家の助言を踏まえ、高齢者の命と生活を守る取り組みを積極的に行う」と強調した。浦添総合病院の福本泰三院長は「重症化のリスクが高い高齢者や施設職員を守るためにも我々が実践する予防策が武器になる」と話した。