慰霊祭4市町村で中止、18市町村は縮小【一覧表付き】


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 新型コロナウイルスの感染が拡大して、緊急事態宣言が県に適用されたことを受けて、自治体主催の慰霊祭がある県内34市町村のうち、糸満市など4市町村が昨年に続き中止を決めたことが29日までに、本紙の調べで分かった。18市町村は規模を縮小して実施。渡名喜村と、8月から秋ごろに開催予定の9市町村は「未定」と回答した。例年通りの実施は10月に開催予定の今帰仁村のみだった。

 糸満市は当初、6月19日に規模を縮小して実施する予定だったが、緊急事態宣言の発令で2年連続の中止を決めた。粟国村も同様に中止となった。

 毎年3月に開催する渡嘉敷村や、5月21日の「与那原町民平和の日」に合わせて実施する与那原町も、昨年に続き式典を中止した。2町村は遺族らが自由に追悼できるように献花台を設置した。

 規模を縮小して開催する自治体では、一般参列を取りやめ、首長や議長、遺族会長らのみの参加に限定した。

 金武町や伊平屋村、北谷町、八重瀬町などは開催日が緊急事態宣言の期間中に当たるが、「慰霊はする必要がある」(金武町)として参加者を10人前後に絞って実施する。本部町は感染防止の観点から式典を2部構成にして開催する。

 6月11日に開催予定だった南城市は延期を決めた。市は「宣言が解除となる20日以降に開催できるか検討する」としている。

 このほか、名護市の南燈慰霊之塔慰霊祭や東村の「県立農林学校隊最期の碑」の慰霊祭は規模を縮小して開催。

 豊見城市の旧海軍司令部壕慰霊祭は関係者15人で実施する予定で、県内外の遺族に向けて動画投稿サイト「ユーチューブ」で慰霊祭の様子を配信する。

 嘉手納町が主催する8月の農林健児之塔慰霊祭は開催未定。