伊江の小学生「団結道場」について学ぶ 土地闘争、阿波根さんの思い継ぐ


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 【伊江】伊江小学校6年生は25日、同村真謝の「団結道場」と伊江小学校で平和学習を行った。伊江島の悲惨な戦いを受け止め、平和を願う気持ちを高めることを狙いとし30時間実施する。今回の講師は、内間常喜教育長。団結道場がいつどのようにして建てられたのか、その時代背景を学習した。

平和学習で土地闘争に取り組んだ阿波根昌鴻さんについて学ぶ伊江小学校6年生の児童ら=25日、同村真謝の「団結道場」

 内間教育長は「団結道場は、米統治下の伊江村で土地闘争に取り組んだ故阿波根昌鴻さんらが、土地接収や米軍演習への抵抗の拠点として、また、土地の返還を求める闘いの後継者育成の場として1970年、真謝に建設した。『伊江島土地を守る会』を結成し、米民政府への陳情や乞食(こじき)行進を行うなど闘争を展開した」と写真やパネルを見せながら説明した。

 蔵下諒さんは「阿波根さんが反対していなければ今の伊江島はどうなっていたかと思うと怖い」、棚原妃南さんは「もし阿波根さんが行動していなければ今の伊江島はないと思うので感謝です」と感想を述べた。

 6年生担任の平田誠教諭は「(戦争は)誰がなぜ、何のために起こしたのかは知らなかった。6年生では歴史の学習をするので、その中で学習し平和の尊さを学び取らせたい」と話した。

 内間教育長は「戦争は突然、起きるのではない。歴史書や新聞等を読み、周りに興味・関心を持ち学んでほしい」と話した。6年生は、学習のまとめとして地域の偉人や平和をテーマにした劇を学習発表会で発表する予定。(知念光江通信員)