【記者解説】低所得層、出産で家計悪化 産休利用もできず<沖縄未就学児調査>


社会
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 低所得層ほど、出産を機に家計が苦しくなる傾向が高いことが今回の調査で見えてきた。1歳児母親に産休制度の利用状況を聞いたところ、非正規雇用が多い低所得層Ⅰの25.3%が産休制度を利用できていない。

 1歳児で「働いていない」と答えた母に理由を聞くと「預け先がない」が低所得層Ⅰで41.8%、低所得層Ⅱでも40.0%と合わせて8割を占める。職場に産休制度がないことから、出産を機に離職し、収入が減った上に保育園にも預けられない状況が浮かび上がる。

 非正規雇用でも、産休制度を利用し、子育てできる環境を企業側も整える必要がある。

 県は本年度から町村の低所得層の世帯を支援するため、訪問相談の支援員2人を配置した。孤立しがちな世帯を掘り起こすためには、対象世帯への直接的なアプローチがより一層求められる。
 (嘉陽拓也)