整備不良の可能性 識者指摘、活発訓練一因か


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 2日深夜にうるま市の津堅島に不時着したUH1Y多用途ヘリは、県内外の民間地や民間空港などに緊急着陸・不時着を繰り返してきた。不時着機について米軍は「通常の訓練中だった」とするが、周辺海域の艦船との往来があった可能性もある。

 UH1Y多用途ヘリは、宜野湾市の米軍普天間飛行場の第1海兵航空団に配備されている。同型機は2018、19年の2年間で4回、県内外の民間地や空港に緊急着陸や不時着をした。19年9月には国頭村の米軍北部訓練場返還地のヘリ発着場跡地に誤着陸した。着陸地点は世界自然遺産の推薦地に含まれている。

 UH1Yは偵察や人員輸送のほか、対地攻撃に用いられることもある。在沖米海兵隊は不時着機は「弾薬を搭載していない」と本紙取材に答えたが、機体には機関銃やロケット弾発射筒とみられる装備が確認された。

 うるま市の浮原島や渡名喜村の入砂島では2日から、米海兵隊などが島に臨時拠点を設置する「遠征前方基地作戦(EABO)」の訓練を実施していた。不時着機について、米海兵隊は本紙取材に「米軍キャンプ・シュワブ(名護市など)から普天間飛行場に戻る途中だった」と説明し、EABO訓練との関連を否定した。

 リムピース編集長の頼和太郎氏は、沖縄周辺海域に米揚陸艦が展開している可能性に言及し「沖縄の基地と揚陸艦とのヘリの行き来が活発になり、整備状況が切迫したのも(不時着の)一因の可能性がある」との見方を示した。