沖縄出身の池原所属「オーデンセ」が初制覇 ハンドボール・デンマーク1部


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優勝カップを手にチームメートと喜びを分かち合う池原綾香(右)(提供)

 女子ハンドボールのデンマーク1部リーグで池原綾香(那覇西高―日体大出)が所属するオーデンセが、5月末、プレーオフ決勝で2勝し、リーグ初制覇を果たした。池原は決勝の全2戦に出場し、計5得点で優勝に貢献した。「私自身もチームのリーグ優勝も初めて。その場に立てたことは本当にうれしいことだった」と喜びを語った。

 決勝は全3戦でオーデンセは現地時間の5月29日の2戦目を勝利し、2連勝で勝ち点4を獲得。優勝の条件となる勝ち点3を上回り栄冠を手にした。1戦目は一進一退の展開ながらもリードして折り返した。その後、同点に追いつかれるが逆転は許さず、残り10分からテンポをコントロールし、勢いに乗って引き離した。池原はフル出場し、2本のシュートを決め、チームは28―20で勝利した。

 アウェーの2戦目は観客の応援で声が通りづらかった。それでも感情をコントロールして自分たちの試合展開に持ち込み、最終的にリードを広げて30―26で勝利することができた。池原は2戦目も先発出場したが、後半に肉離れの不安があったため途中交代した。それでも3得点するなど、主力として躍動した。

 池原は大学卒業後、日本リーグの三重バイオレットアイリスを経て、2017年に強豪国デンマーク1部のニュークビン・ファルスターに加入。貴重な左利きの右サイドとして活躍し、初年度はリーグ新人王を獲得した。今季は同リーグのオーデンセに移籍。昨年8月からのシーズンは、常に上位を争い、23勝3敗の2位で8チームによるプレーオフ進出を果たしていた。

 決勝は何度も戦ってきたリーグ3位のヴィボーWが相手。「お互い理解している上での対戦。コンビネーションもばれていた」というが「自分は体が小さい。相手の視界を外してフリーになってシュートを打てた。そこはまだまだ通用すると感じた」と納得の最終戦だった。

初制覇に歓喜の声を上げるオーデンセの池原綾香(前列右から3人目)ら選手たち(提供)

 リーグ優勝でチームは来季の欧州チャンピオンズリーグへの出場権を引き続き獲得。「自らの力でチャンピオンズリーグに出ることも目標だった。自分がプレーするシーズンで勝ち取ったことはとてもうれしい」と喜びは大きく、出場権を再び獲得したチャンピオンズリーグで、ファイナルに進出するという次の目標を持つことができた。

 日本代表のおりひめジャパンにも継続して招集されており、五輪も控える。「自分はまだ成長過程にある。チームもこれから上に進める力があると思っている。これに満足することなく頑張りたい」と尽きない向上心でさらなる飛躍を誓った。
 (謝花史哲)