沖縄産パイン葉で「かりゆし」も…希少繊維使い商品化へ フードリボンと美ら島ファーム


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機械でパイン葉から繊維の取り出し作業を手掛ける農家ら(フードリボン提供)

 食品関連開発・販売のフードリボン(大宜味村、宇田悦子社長)は沖縄美ら島ファーム(本部町)と連携し、来夏にも県産パイナップル繊維を使った商品の販売を始める。同社は、農業廃棄物となっているパイナップルの葉から繊維の製造を手掛けており、環境負荷の軽減や県内パイン農家の所得向上につながると期待される。

 同社は昨年11月に中国で現地法人を立ち上げており、今月中にも台湾現地法人を設立する。県内にとどまらず海外でもパインの繊維などでの商品開発に注力している。

 フードリボンによると、県産パインの年間生産量は約8千トンで、葉は果実の2倍となる約1万6千トンが出る。パインの葉から取れる繊維は、生の葉の状態から1%しかなく、希少な繊維製品に生まれ変わる。世界第2位のパイン生産国のフィリピンなどでは既にパインの葉を繊維化し、環境に優しい高級繊維を製造している。

 同社の平良香織常務は「パインの葉の繊維は糸が細く、つやもある。繊維業界にも注目されている」と説明する。今後、北部のパイン農家と連携し、県産パイン繊維でかりゆしウエアなどを商品化する。繊維抽出後のパインの葉かすを活用した紙製品や、ストローなどの開発も手掛ける予定だ。

 平良常務は「アパレル業界では石油由来の化学繊維が環境汚染の原因とされている。パイナップル葉の繊維を環境に優しい天然素材として世界へ流通していきたい」と目指す。