「小さな命、粗末にしないで」犬猫遺棄や餌やりに涙の訴え 伊江島


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 【伊江】沖縄県伊江村内で飼い主がいない猫の保護や引き取り手探しのボランティアをする有志で結成した「島の野良猫を増やさない会」のメンバーは、村内の野外飼育や無責任な餌やりに警鐘を鳴らしている。会の兼次翠子代表は「生まれたばかりの犬や猫を捨てたら、いずれ飢え死にしてしまう。小さな命を粗末にしないでほしい」と全ての人に動物愛護を涙ながらに訴えている。

動物愛護を訴える「島の野良猫を増やさない会」のメンバー=5月11日、伊江村川平の民宿かりゆし(同会提供)

 5月初旬、兼次さんは村内で生後2カ月とみられる6匹の捨て犬を保護した。当初3匹の捨て犬を保護した兼次さんが村内の保護施設を訪れると、同時期に生まれたとみられる捨て犬3匹が既に保護されていた。兼次さんは県内のボランティア団体に引き取り手探しを依頼した。

 団体に手渡すまでの約1週間、会のメンバーが協力し合い、主に民宿「かりゆし」を営む新垣力さん宅で6匹を世話した。子犬は同団体を通じて愛情を持って育ててもらえる県内の飼い主に託された。

 会のメンバーは、村内で飼い主がいない猫や犬を増やさないことを共通の思いとし、情報を共有しながら動物愛護活動に取り組んでいる。

 公益財団法人どうぶつ基金のさくらねこTNR、一般社団法人琉球わんにゃんゆいまーる、一般社団法人猫のおうちMIKEなどの協力を得て、行政と連携しながら村内の野良猫の不妊・去勢手術なども行っている。

 メンバーは「無責任な餌やりで野良猫を増やし、動物の命を無駄にしてほしくない。村外から持ち込んだ犬や猫を捨てないでほしい。遺棄することは犯罪だ」と室内飼養を呼び掛けている。

 伊江村では2019年からさくらねこTNR事業に取り組んでいる。村民からは野良猫のふん尿被害の苦情が後を絶たないとし、問題視している。

 (中川廣江通信員)