子の受け皿 戸惑い 「準備できていない」 学童や居場所


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距離を取りながら勉強する児童たち=4日午後、那覇市

 新型コロナウイルスの感染拡大で、小中高の休校が決まった。学童や子どもの居場所など、子どもの受け皿となる施設は休校決定を受け、対応に追われた。「受け入れる体制は整うか」「感染症対策はどうしよう」と困惑が広がる。

 那覇市内の放課後児童クラブ(学童)の職員は「何も準備できていない。感染者が増えても休校しないだろうと思っていた」と戸惑う。児童56人に対し、職員は3人。受け入れ時間が早まることを想定し、隣接するこども園の職員に協力を依頼する予定だ。

 感染対策を工夫するが、限られた敷地で大人数が過ごすと、密は避けられない。職員は「学校の方が密にならない。学童では感染を防ぐにも限界がある」と不安げだ。園長は「仕事を休めない保護者はたくさんいる。密を防げなくても、子どもたちは受け入れざるを得ない」と話した。

 地域の子どもを受け入れる「子ども広場in那覇」は、休校が始まる8日以降、開所時間を短縮する。細田光雄代表理事は「感染者が増え、不安が大きい。しかし、一日中子どもが家にいる状況をストレスに感じる保護者もいる。せめてお昼からの3時間は開けることになった」と話した。

 浦添市の陽迎橋自治会は、緊急事態宣言後は子どもの居場所「みんなおいでよ陽迎橋」を休止している。事務局の金城登喜子さん(65)は「閉めていても子どもは訪れる。『コロナが落ち着くまで頑張ろうね』って声を掛けて帰ってもらうけれど、申し訳なく思う」と、葛藤する気持ちを明かした。