空手道、成年個人形 男子は池田、女子は佐和田が制覇 県選手権兼国体1次予選


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 空手道の第40回県選手権兼国体1次予選は5日、豊見城市の沖縄空手会館で行われ、成年男子個人形で池田竜晟(劉衛流龍鳳会)、同女子は佐和田莉乃(沖縄国際大2年)が優勝した。両者は7月に福岡県で実施される国体九州ブロック大会に県代表で派遣される。個人組手は成年男子軽量級で田村斎喜(うるま空手スクール)が判定勝ちで栄冠をつかみ、中量級は比嘉弘輝(上地流仲真修武館)、重量級は當山竜生(剛柔流仲本塾)が制した。同成年女子は、比嘉桃子(上地流空手道拳優会)が優勝した。


気迫、スピード、力で圧倒 練習成果に納得の表情

男子個人形決勝 力強いスーパーリンペイを披露する池田竜晟=5日、豊見城市の沖縄空手会館

 持ち味の気迫、スピード、パワーで相手を圧倒する演技で池田竜晟(劉衛流龍鳳会)が頂点に立った。

 決勝で選択したのは、スーパーリンペイ。静と動のメリハリある動きを追い求め、「蹴りや突きの動きに重なる部分がある」とスクワットジャンプや負荷を掛けたトレーニングなどに汗を流してきた。ぶれない体の軸から繰り出す力強い蹴り、気迫ある突きは、日頃から自身に課してきた練習の成果だった。終了後「爆発的な力を出せるかを常に研究してきた。自分がやってきた形を最大限に、表現しきれた」と納得の表情を浮かべた。

 「世界一になりたい」との志で、地元・茨城県を飛び出し興南高に進学した。同じ流派には、東京五輪形代表の喜友名諒らも在籍し「世界トップの先輩方と一緒に練習し、技術面だけでなく、空手に対する姿勢など学ばせてもらっている」。佐久本嗣男会長や世界選手権の女子団体形で優勝経験のある清水由佳氏から指導を仰ぎ「日々こうした環境で練習できることに感謝しかない」。一歩、一歩、夢への階段を駆け上がり、結果での恩返しを誓う。

 (上江洲真梨子)

 


目に闘志宿し演武 佐和田「友の分まで」有言実行

女子個人形決勝 最も得意とするスーパーリンペイで優勝を決めた佐和田莉乃

 成年女子個人形最後の演武に立った佐和田莉乃(沖国大)の目には闘志が宿っていた。決勝に残った佐和田と久場麗佳(同)は団体形でチームを組むメンバー。最初に演武した久場が、アクシデントで点数が伸び悩んだのを見て「麗佳の分まで絶対優勝する」との誓いを有言実行し、栄冠を手にした。

 「気迫、パワーを意識した」と一つ一つの動作に気迫がこもる。ただ「本番は緊張して細かい動きが統一できていなかった」と反省も。スピードや重心移動、手足の動きなど、九州に向け修正は多いというが「九州に出るからには本国体も行く」。仲間の思いも背負い、挑み続ける。


田村 3年越しの雪辱 男子組手軽量級V 喜びかみしめる

男子個人組手軽量級決勝 互角に競り合い軽量級を制した田村斎喜(右)

 男子組手の軽量級は、田村斎喜(うるま空手スクール)が3年越しの借りを返した。決勝は、2018年の同大会決勝で敗れた嘉数守斗(劉衛流龍鳳会)との一戦。蹴り技が得意な田村は、間合いの取り方がうまい嘉数に「苦手意識があった。徹底した防御で(自身の)間合いに入らせないよう距離を取った」という。

 上段突きで先取し、フェイントを仕掛けてきた相手にノーモーションで中段蹴りを決め、優勢を維持。だが、中盤から巻き返されて3―3の同点に。しかも終了間際で反則を取られて勝敗は5人の審判に託された。3人が田村の青旗を上げると、一気に安堵(あんど)の表情が広がった。「ようやく勝てて自信になった」。因縁の相手からもぎ取った勝利の喜びをじっくりとかみしめた。


プランうまくはまった

 成年男子個人組手中量級で優勝の比嘉弘輝の話 左膝の負傷明けだったので、少ない手数で確実に得点するプランで臨み、うまくはまった。序盤の相手プレッシャーにも惑わされず、自分の得意な展開に持ち込めたのが良かった。