「やっと飛んだか」…ヘリ不時着で津堅島の住民 米軍に憤り


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不時着した民間地の畑から離陸し、米軍普天間飛行場に向かうUH1Y多用途ヘリ=7日午前11時49分、うるま市の津堅島(大城直也撮影)

 【津堅島=うるま】「またいつか落ちるのでは」。うるま市津堅島に不時着していた米軍普天間飛行場所属のUH1Yヘリが7日、自力飛行で同飛行場に戻ったことを受け、津堅島の住民は「いつ飛ぶか不安だったが、やっとか」と安堵(あんど)した。日常的に上空を飛行する米軍機に対し、落下の恐怖感をぬぐえないままだ。

 不時着した現場の近くに住む女性(64)は、不時着時前の異様な飛行音が耳から離れないという。「(米軍からは)住民説明もなかった。上空で鳴り響く米軍機の音に敏感になっている」と漏らした。事故機が住宅地の上を通って、飛行場に戻ることに対しても「また落ちるのではないかと不安で仕方がない」と不安を隠せなかった。

 不時着機体の離陸を見届けた玉城盛哲区長は「やっと安心できる」と胸をなで下ろした。離陸まで5日間かかったことに「どうしようもなく、見守るしかなかった」と語った。いまだ米軍から説明や謝罪がないことに憤った。「なぜわざわざ住宅近くに着陸したのか。飛行ルートになっているならば島を迂回(うかい)してほしい」と訴えた。