沖縄副知事「訓練空域返還」に言及 米軍ヘリ不時着、防衛局トップに抗議


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津堅島に不時着した米軍のヘリコプター=2日(読者提供)

 米軍普天間飛行場所属のUH1Y多用途ヘリがうるま市の津堅島に不時着した事故で、謝花喜一郎副知事は8日午後、沖縄防衛局の田中利則局長と外務省沖縄事務所の橋本尚文沖縄担当大使を呼び、事故原因究明までの同型機飛行停止などを求めた。

 米軍ヘリは2日深夜、米軍キャンプ・シュワブ(名護市など)から普天間飛行場に戻る途中、津堅島に不時着した。在沖米海兵隊は島に人員や物資を送って機体を修理した。7日午前、不時着機は島から飛び立ち、普天間飛行場に戻った。

 8日の抗議で県は(1)事故原因究明までの同型機飛行中止と、事故原因の究明と公表(2)事故発生時の正確な情報提供(3)航空機騒音規制措置の厳格な運用(4)普天間飛行場の運用停止を含む危険性除去と早期閉鎖・返還―などを求めた。謝花副知事は米軍機の不時着などが繰り返されていることを強調し「真剣に訓練空域・水域の返還を求めるしか、自分たちを守ることができないのではという思いだ」と厳しく訴えた。

 田中局長は不時着について「地域住民の不安を惹起する(じゃっきする=引き起こす)ものだ。安全運行のための整備点検の徹底などを強く求めていきたい」と述べた。在沖日本政府機関のトップを呼び出すのは、県としての抗議の度合いとしては強いものとなる。