国際通りの「バナナパラダイス」 戦略転換、おもろまち移転 コロナ禍、地元客に照準


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閉店したバナナパラダイス国際通り店=5月31日

 新型コロナウイルスの影響で観光回復の先行きが見通せない中、観光客から地元客向けに集客ターゲットを切り替える動きがある。

 京都の銘菓「おたべ」の製造販売で知られる美十(京都府)は、那覇市のドン・キホーテ国際通り店1階にあったバナナスイーツ専門店「バナナパラダイス」を那覇市おもろまちに移転して、7月1日から新たに営業する。美十沖縄営業部の中村郁生係長は「地元客への認知度を高めたい」と話した。

 うるま市に製造工場を建設して沖縄進出した美十は昨年9月、「バナナパラダイス国際通り店」を開店した。バナナを使ったパンやジュース、お土産品などを販売する沖縄独自のブランド。主に観光客をターゲットにして国際通りのほぼ中心に位置する一等地への出店だったが、コロナ禍の中で5月31日、開店から10カ月で閉店を決めた。

 新型コロナ感染拡大の影響で開店日を2回見直したが、1年ほどでの収束を見込んでいたため出店計画に変わりはなかった。開店当初は感染状況も落ち着き、来店客も多かった。だが、昨年末から第3波が猛威を振るい客足は鈍った。

 おもろまちに新店舗を開店するのは、周辺に住む家族層や週末に同地域に遊びに来る地元客を狙うためだ。新しい商品ブランド「琉球クロワッサン」を投入し、パンの種類も増やす。

 中村係長は「(コロナ収束後は)観光客の比率が高くなるかもしれないが、地元客も観光客もどちらも大事にしたい」と新天地での飛躍を期した。