「国への貢献」と沖縄振興計画の関係は?県議会委で質疑が集中


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沖縄県議会

 県議会の新沖縄振興・公共交通ネットワーク特別委員会(中川京貴委員長)は8日、県が1日に公表した新たな沖縄振興計画(振計)の素案について審議した。素案で「国への貢献」を前面に打ち出したことについて意見や質疑が相次いだ。宮城力企画部長は「『貢献』と言う言葉が一人歩きするのは本望ではない。政府の沖縄振興基本方針で沖縄が日本再生の原動力になると書かれている。そのためには沖縄振興が必要との視点で県としては説明したい」と説明した。

 国仲昌二氏(立憲おきなわ)は「国への貢献が先にあって、そこから計画を立てるとの捉え方になりかねない。きちんと資料を読めば分かるが、誤解を招きかねない」と述べた。

 座波一氏(沖縄・自民)は素案からは「沖縄の置かれた立場を日本の発展に貢献させるための実現性が見えてこない」と指摘。玉城デニー知事が全国の米軍専用施設のうち、沖縄にある施設が占める割合を「50%以下」にするよう政府に要請したことを引き合いにし、「見方によっては残り50%の基地負担は当面認めたことになる。知事が求めているならば、振興策はしっかり支えてほしいとする考えはないのか」と質問した。

 宮城部長は「『基地問題と振興策は別』が県の基本的な考えだ」と否定した。

 渡久地修氏(共産)は「沖縄戦の時に、国に貢献しなさいと言っていたこととダブって見える。『単純延長はあり得ない』も圧力ではないかと感じている」と懸念を示した。

 宮城部長は2021年度末で期限が切れる沖縄関係税制の延長の可否は、8月の概算要求で内閣府が制度要求するかが焦点になると説明。「税制は8月にヤマ場がくる。次年度の予算制度も12月に最終決定するとみられる。(新たな沖縄振興の延長・拡充などは)年内に正念場を迎える」と話した。