ワクチンの有効性を共同研究へ OIST・那覇市医師会が被験者募集


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新型コロナワクチンの有効性について共同研究を実施することを発表した、沖縄科学技術大学院大学(OIST)と那覇市医師会=8日、県庁

 沖縄科学技術大学院大学(OIST)と那覇市医師会は8日、新型コロナウイルスのワクチン接種で獲得される免疫反応を調べる共同研究を実施すると発表した。ワクチン接種前後の免疫や副反応を経時的に測定することで、接種が長期的な感染予防になるか、今後発生しうる変異株に対応できるかなど、有効性を調べる。

 研究チームによると、現存するワクチンは高い感染予防効果が期待されることが、徐々に明らかになっているという。一方で「基礎研究は十分でなく、ワクチンの有効性と副反応の個人差がどの程度生じるのか、ほぼ分かっていない」とした。ワクチン接種で誘導される新型コロナに対する抗体やT細胞(免疫細胞)など、免疫反応を調べることが重要だと説明した。

 研究は県民100人を被験者として実施する。ワクチン接種前の血液と、接種後7回(1日目~1年後まで)の血液を調べ、どのように免疫・抗体が獲得されるのかをたどる。

 研究を主導するOISTの石川裕規准教授は「すでに去年10月から臨床研究を行い、興味深い研究結果が分かりつつある。県民の理解と協力が必要不可欠だ」と述べた。那覇市医師会の山城千秋会長は「今回の研究は新型コロナに打ち勝つために重要な研究になる」と話した。同医師会の玉城研太朗医師は「(ワクチンの)個別改良につなげるような極めて重要な研究だ」と期待した。

 研究チームは被験者を募集している。7日時点で26人が集まっている。日本国籍の県民、ファイザー製のワクチンを接種予定である者、20歳以上、献血の健康基準を満たすことなど、いくつか条件がある。問い合わせはOIST免疫シグナルユニット(電話)098(966)2257、または(電話)050(5477)5813。午前10時~午後5時まで。メールアドレスはmeneki@oist.jp