感染管理専門の看護師、22年度末までに100人目標 県看護協会・仲座会長に聞く


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ
県看護協会の仲座明美会長

 新型コロナウイルス感染拡大により、医療現場で対応に当たる看護師。県看護協会の仲座明美会長は「感染管理認定看護師」の研修課程を当面継続し、2022年度末までに県内で計約100人を養成する方針を示す。看護職の免許を持ちながら職を離れている「潜在看護師」の活用については、ナースセンターへの届け出制度の浸透が課題になっていると指摘した。

 昨年来のコロナ禍で、医療機関や介護施設でのクラスター(感染者集団)が県内でも相次いでいる。感染管理認定看護師がいない中小病院も多く、仲座会長は養成課程を継続することで配置を進め「県内の全ての医療機関が、患者や病院を自分たちで守れるところを目指したい」と話す。同協会では22年度末までに計約100人の同認定看護師の養成を目指す。

 ワクチン接種や療養現場での対応を巡っては、「潜在看護師」の登用に期待が寄せられている。

 現在、県内で従事している看護職は2万人余り。定年や個人の都合による退職者が年間約2千人いるが、そのうちナースセンターへの届け出制度に沿って離職を届け出ているのは約300人にとどまる。そのため、県内にどの程度の潜在看護師がいるのか、明確に把握できず「大きな課題」(仲座会長)になっている。

 県看護協会には復職を希望する声が増えているという。今年4~5月だけで、潜在看護師から求職の問い合わせが200件以上あった。希望や条件を調整し、ワクチン接種や患者の療養現場で復職している。

 県内では今なお感染拡大の局面が続く。仲座会長は「医療現場では誰もが使命感を持ち支え合っているが、医療関係者だけ頑張ってもどうしようもない。誰もが自分ごととして、感染しないよう同じ方向を向くことが大切だ」と呼び掛けた。