ネットの力 モバイルプリンスの知っとくto得トーク[213]


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モバイルプリンス

 

糸満市にあるひめゆり平和祈念資料館が、新型コロナウイルスの感染拡大によって入場者が減り、経営の危機にあることを、今月6日、Twitter上で告白。寄付を呼び掛けました。

資料館を大切に思う人たちが拡散・寄付を行った結果、その投稿は約1.5万リツイート、2日間で約4990件、1750万円の寄付が集まった【※1】とのことです。

今回のように、ネット上では呼び掛けに共感した人たちの小さなアクションが積み重なり、大きなうねりにつながることがあります。特にコロナ禍以降、お店や団体などが存続のためファンに寄付を呼びかける「クラウドファンディング」【※2】を行い生き残る道を探しています。

 

※1 1750万円の寄付が集まった … ひめゆり平和祈念資料館の2019年度の運営費は約1億5000万円で、入館料と寄付金で運営していました。寄付の呼び掛けで多くのお金が集まりましたが、それでもまだ運営費が足りていない状況です。

※2 クラウドファンディング … プロジェクト(行動・計画)の理念に共感した人たちから少しずつお金を集め、目標を達成するサービス。寄付を集めるプロジェクトもあれば、「製品を作るためにお金を集めます。お金を出してくれた人には作った製品をお渡しします」という返礼品を設定するプロジェクトもあります。

 

イラスト・小谷茶(コタニティー)

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「小さな声が重なり、大きなうねりとなる」、これは先ほど紹介した資料館のようポジティブに動くこともあれば、ネガティブに着地することもあります。

その代表が「ネット炎上」です。誰かが問題のある行動を取った際、人々はそのニュースなどを見て批判します。

一人一人の批判はごく真っ当なものだったとしても、その批判が数万人から届けられると、街を歩くのが怖くなるだろうし、深く深く傷つくでしょう。

 

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例えば皆さんが廊下を走って先生に「こら! 廊下を走らない!」と注意をされる。普通はそれでおしまいですが、ネット炎上の場合は、町中の人たちから「走るのは良くない!」「マナー守れないのだな」「落ち着きがないのかよ」と言われ続けるようなものです。

こうしたネットの特性をまずは理解し、その大いなる力を意識して使いましょう。

 

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ スマートフォンアドバイザー、フリーライター。沖縄県サイバー防犯PR大使を務め、スマホやインターネットの活動講座を学校などで実施。本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」(旬報社)も発売中。

http://smartphoneokoku.net/