名護で大規模個別接種、2病院で実施 週に1000人以上予定


この記事を書いた人 Avatar photo 田吹 遥子
新型コロナウイルスワクチンの1回目の接種を受ける高齢者=11日、名護市の北部地区医師会病院

 名護市が窓口となり、北部地区医師会病院は7日から、県立北部病院で9日から、高齢者向けの新型コロナウイルスワクチンの大規模接種が始まっている。病院で大規模な個別接種を実施するのは県内初となった。両院合わせて1週間で千人以上の接種が可能となった。両院は医療従事者に先行接種していた実績があり、問診から接種、経過観察までスムーズに進められている。

 市内の65歳以上の高齢者は約1万5千人いる。これまで市が実施した集団接種の予約受付時は、5回線の電話に予約が殺到し、市民から「無作為に抽出する方法などを検討すべき」など多くの苦情が寄せられた。今回の大規模な個別接種では、初回に3234人分、10日から新たに1300人分の枠を追加した。7月末には高齢者の7割以上が2回目の接種を終える見通しだ。

 北部地区医師会病院では、3月中旬から当院の職員約600人と北部地域の医療従事者千人を対象に先行接種を実施した。接種を受ける人が席からそのまま動かず、職員が巡回してスムーズに接種を進める「ワンストップ方式」を導入。経験のある打ち手により、1日200人から300人のの接種が可能となっている。

 接種後は15分間様子を見て、副反応が出ると救急で対応する。田里大輔医師は「院内でしっかり連携していて、打ち手の技術も高い」と話した。1回目の接種を終えた城間良正さん(89)と妻・孝子さん(同)は「なかなか予約できずに心配だった。接種できて安心している」と胸をなで下ろした。